2006/06/27

公演は終了いたしました

公演は終了いたしました

たくさんのご入場、本当にありがとございました
その後のご報告などは順次このページで紹介させていただきます
またいつかどこかでお会いできる事を楽しみにしております

2006/06/27 スタッフ・キャスト・白鳥の会 一同

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公演を終えて・・・

あの夏の朝、ヒロシマの爆心地を覆った熱は、科学者たちの調査によると、摂氏一万二千度だったといいます。太陽が二つ、爆心地の真上、約五百メートルのところに現れたといってもいいでしょう。この想像を絶する熱を浴びて、ヒトも草も木も鳥も魚も家も一瞬のうちに溶けてしまいました。爆心地からの生還者の言葉が期待できないので、あの熱の中でなにが起こったかは、何一つ分からないように見えますが、じつはそうではない。何十万もの目撃者たちがおりました。
 この方がたは、やがて被爆者と呼ばれるようになり、「あの朝、死んでいたほうが、まだよかった」とうめきながら生涯にわたって苦しまなければならなくなるのですが、しかし、多くの方がたが凛とした勇気をもって、たくさんの手記を書かれました。その手記の数は五万編にも及ぶといわれています(広島市立図書館調べ)。
 全ての手記を読んだわけではありませんでしたが、それでも手に入った手記を数百篇、拝むようにして読み、そこからいくつもの切ない言葉を拝借して、あのときの爆心地の様子を想像しました。そして、それらの切ない言葉を再構成したのが、この戯曲です。そのときのわたしは、「これら切ない言葉よ、世界中にひろがれ」と何百回となく呟きながら書いていました。
 そしていま、大勢のみなさんの才能のおかげで立派な朗読劇になりましたが、聞きながらやはり、わたしは、「切ない言葉よ、世界中にひろがれ」と呟いていました。
 <言葉よ、ひろがれ>井上ひさし

「・・非道い(どえりゃー)ものを落としおったもんよのう。人間(にんげ)が、おんなじ人間の上に、お日さん(おひーさん)を二つも並べくさってのう」 「あよなむごい別れがまこと何万もあったちゅうことを覚えてもろうために生かされとるんじゃ」
 私は、おとったんのこの二つのセリフが大好きです。
前者は、原爆の恐ろしさ、戦争の愚かさ、人間の罪がズシンと胸に響きます。
後者は、私たちには、それぞれ生かされている意味があるのだ、と勇気づけられます。
公演の準備に明け暮れる一年間は、これが使命(ミッション)だと信じ没頭していますが、公演を終えるたびに「生かされている意味」を問いつづけている私です。
終演直後、スタッフ、キャスト、お客様の思いが一つに溶け合う瞬間、目には見えない何か大切なものが生まれているような気がします。
 今回は80席の小さな会場でしたが、入場料、ご寄附合わせて十万円をお預かりし、高麗博物館、AAR JAPAN「難民を助ける会」へ五万円づつ送らせていただきました。皆様の温かいお気持ちを、NPO法人2団体の活動支援に用いさせていただきます。
 様々な形で支えて頂きました方々お一人お一人を思いながら「ありがとう」の気持ちでいっぱいです。そして、井上ひさし氏が、被爆者の方たちのたくさんの「手記」を「聖書」と呼んでいるように、私は、この戯曲全体が「祈り」のように感じました。
 
白鳥の会代表 目黒恵子

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稽古開始写真
「父と暮せば」の稽古にサニーちゃんが応援に駆けつけてくれました。
残念ながら役者の顔が見えない、、、

舞台公演「共に生きる」


公演当日
リハーサルが終わり公演直前
緊張している、、、

舞台公演「共に生きる」